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July 02, 2009

内部統制報告書がでました(続)  

 ユニオンホールデイングス  監査意見不表明。内部統制報告書に記載の通り,重要な評価ができなかった。財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないとしており,監査手続の実施に重要な影響があり,内部統制報告書に対する意見表明のための合理的な基礎を得られなかった。重要な評価手続を実施できなかった理由として,連結グループの人員の削減,期間途中の担当者の変更など,経理,財務の知識・経験を有する者を評価手続に従事させられなかった,海外子会社に日本の内部統制に要求されるITに関する規定がなかったなど,内部統制の構築,評価に想像以上の時間を要している,と弁明。
今の人員だけでなくプロジェクトチームを再編成して,グループ全体の内部統制の整備と運用評価を進める,という。
 石垣食品  内部統制監査人は内部統制結果を評価できない(不表明)。財務報告の信頼性に関するリスクの評価手続が実施できなかった。連結グループ全体で人員を削減し,経理,財務の知識・経験を有する者をリスクの評価に従事させられなかった。尤も,会社自体が小規模で,内部監査の組織を持たないが,取締役の管理,各部署の相互監視は十分に機能し,不正誤謬が発生しないよう内部統制体制を構築している,と自己評価。人員の制約はあるが,環境を整備し早期に評価を完了するという。
 ダイキン工業  財務報告の信頼性の影響の重要性の観点は,金額と質。業務プロセスの内部統制の評価範囲は,売上高の高い拠点から合算し,前連結会計年度の連結売上高の3分の2に達する事業拠点と,売上高の大きい事業拠点を対象とする。
その結果,本社サービス部門,一部子会社の財務報告に係る内部統制の不備は,財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く,重要な欠陥に該当する。よって,財務報告に係る内部統制は有効ではなかった。何が問題になのか。不適切な会計処理があった。工事売上,工事仕掛の計上・承認手続の運用が不十分であった。決算・財務報告をモニタリングする責任者が不適切な会計処理に関与した。経理財務本部に対するモニタリングが十分に機能しなかった(これだけを読んでても何のことか分りません)。内部統制監査報告書には,会計処理の重要な欠陥はあるが財務諸表監査への影響はない,と記載されている。
 市光工業  決算・財務プロセスのうち,製品保証引当金や減損損失過程において,見積もりを適切に行うための検討や算定方法の理解が不十分だったことを原因とする重要な処理誤りがあった。その不備は事業年度末日後の財務諸表監査の過程で識別された。
 フォスター電機  連結子会社に,従業員による売上債権回収代金の着服という不正があった。売上債権の回収管理の内部統制の瀬日・運用に重要な欠陥があり,同社に対する管理体制(モニタリング)が十分に構築できていなかった。不正の事実は決算日以降に発覚した。今後は適切な内部統制を整備運用する方針。なお,損害額は64億ウオン。謄写持分に係る損害は23億ウオンと想定され,連結財務諸表への影響は限定的,と報告。
監査人報告の追記情報は,この損害が弁償されない場合は,翌連結会計年度以降の財政状態に影響を与える可能性があるとしている。
 KFE JAPAN  連結子会社の財務諸表作成体制の整備・運用,それに対する会社のモニタリングの整備・運用が不十分であった。連結財務諸表作成の知識・経験を有する者が従事できなかった。今後は人材を確保し,財務会計部門の社員教育を行い,適切な内部統制を構築する方針。監査人は追記情報に,会計年度末には子会社の資産と負債の配分額を確定させている,取得原価との差額(のれん)は,発生時に利益計上した,と報告。
滝沢ハム  内部統制に不備があり,財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く,重要な欠陥に相当する。財務報告に係る内部統制は有効ではなかった。すなわち,業務プロセスの輸入原材料仕入れプロセス及び在庫管理プロセスの一部において,適正な仕入れ計上,在庫計上に必要な承認手続の運用が不十分であり,仕入額,棚卸額の誤りが発見され,買掛金,棚卸資産につき重要な修正を行った。
 幻冬舎  元社員が,私的流用を目的に資金を横領。今年3月に発覚,その後の調査を経て,過年度の重要な決算の修正を行った。全社的な内部統制における,不正に関するリスクの検討が不十分であった,少人数部署での職務分掌の運用上の問題,モニタリングの運用が不十分であった,コンプライアンスの徹底が不十分であった。
6月,管理部門の組織体制の見直し,管理局の下部組織であった経理部,総務部につき,管理局を廃止し,経理部及び総務部を局に格上げした。
ジェイオーグループホールディングス  上級経営者層の一部が内部統制を無視,無効にし,経営者・取締役会・監査役会に報告された全社的な内部統制の不備が改善されず。適正な決算業務を実施する体制が保持されず,年度末において決算処理の遅延が生じた。
平賀  6月の取締役会において,前代表取締役が取締役会の決議を経ずして独断で当社仕入業者に融資を行うため,約束手形を振り出したという事実が報告された。仕入業者への融資や,約束手形の振り出しに関し,規程で職務分掌や承認手続が定められていたが,前代表取締役が社内規程を無視し,独断で約束手形の振り出した。内部統制を通じて防止できなかった。その事実は,全社的な内部統制のうち統制環境の不備である。
監査人の財務諸表監査は不表明,内部統制監査も不表明である。
シャルレ  取締役会は,取締役及び執行役の職務の執行の監督するために,情報を必要とする。監督を担う取締役全員が社外取締役で,このような情報を伝えることが難しい環境で,適時,適切な情報を伝達する仕組みを構築できていなかった。
内部統制の基本的要素である「情報と伝達」における「①信頼性のある財務報告の作成に関する経営者の方針や指示が,企業内のすべての者,特に財務報告の作成に関連する者に適切に伝達される体制が整備されているか。」「②内部統制に関する重要な情報が円滑に経営者及び組織内の適切な管理者に伝達される体制が整備されているか。」「③経営者,取締役会,監査役又は監査委員会及びその他の関係者の間で,情報が適切に伝達・共有されているか。」を満たしていなかった。
次に,監督を行うためにはモニタリング活動が不可欠。社外取締役が十分なモニタリング活動ができるよう,使用人を直接任命できるなどの仕組みが必要であったが,構築できていなかった。内部統制の基本的要素である「モニタリング」における「①日常的モニタリングが,企業の業務活動に適切に組み込まれているか。」「②企業の内外から伝達された内部統制に関する重要な情報は適切に検討され,必要な是正措置が取られているか。」を満たしていなかった。
監査委員会は,執行役等(執行役及び取締役)の職務の執行の監査を担っているが,監査対象となる取締役と,監査を行う監査委員は,全く同一の構成員であり,自己監査を行う構造になっている。これでは委員会設置会社の要である監査委員会が,牽制機能を十分に発揮できない。内部統制の基本的要素である「モニタリング」における「①日常的なモニタリングが,企業の業務活動に適切に組み込まれているか。」を満たしていない。
上記の「情報と伝達」「モニタリング」における不備は,内部統制の基本的要素である「統制環境」全般に影響を与え,とりわけ「①取締役会及び監査役又は監査委員会は,財務報告とその内部統制に関し経営者を適切に監督・監視する責任を理解し,実行しているか。」を満たしていない。以上のとおり,内部統制の基本的要素である「統制環境」「情報と伝達」「モニタリング」に不備があり,全社的な内部統制に,重要な欠陥がある。
ジャパン・デジタル・コンテンツ信託  財務報告に係る内部統制の評価にき,重要な評価手続が実施できず。事業年度末日時点において,財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断。実施できなかった重要な評価手続は①全社的な内部統制の評価手続 ②業務プロセスに係る内部統制の評価手続である。
(付記事項)金融庁長官より信託業法第44条第1項に基づく行政処分を受けた。内容は,3ヶ月の信託業務停止処分。信託業務の健全かつ適切な業務運営を確保するため必要があると認められる措置を講じよ,という。具体的には,① 全受益者と協議の上,信託契約の解消,受託者の変更その他受益者保護のために必要な対応の実施する ② 信託財産を保全し,受益者を保護するために必要な業務を適切に行うために必要な内部管理態勢を整備する ③ 委託者から受託した信託財産の保全と分別管理を徹底する。会社財産を不当に費消する行為をいない。④ 信託勘定から実行されている融資資金を目的外使用している状況を解消する⑤ 以上の業務改善計画を6月25日までに提出し,改善計画の実施完了までの間,1ヶ月毎に改善状況を報告する。
これにより,内部統制の見直しが予定されるため,翌期以降の財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす可能性がある。
監査意見は,財務諸表監査は適正,内部統制監査は不表明である。

注目点は,監査人による「不正・誤謬」の発見可能性。3月期決算前に原因があれば,過年度それに気づかなかったわけを知りたいが,何も記載がない。それとも,今期一斉に発見される問題ばかりだったのであろうか。
内部統制監査制度は今年から実施だが,「内部統制の有効性の評価」,「不正,誤謬による財務諸表の重要な虚偽記載を看過しない」義務は,平成9年からあったはずである。

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