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September 25, 2008

寄 附

今年4月の地方税法等の改正により、個人住民税の寄附金税制が大幅に拡充された。地方自治体に対する寄附金のうち、5,000円を超える部分について、個人住民税所得割の1割を上限として、所得税と合わせて全額が控除される。今年中に寄付した場合は、年間所得の確定申告により所得控除がなされ、個人住民税は来年分から税額控除される。寄付の受入れや具体的な手順については、各地方自治体が条例で指定することになっている。
このような趣旨で,大阪市には「元気づくり大阪」寄付金制度が設けられた。また,昨日,お笑いコンビ「爆笑問題」ら3人が,ふるさと納税制度を利用して大阪府に1000万円寄付した。タイタンと業務提携を結んでいる橋下知事が,爆笑問題とテレビ局の楽屋で話をしたのがきっかけという。個人名で,歴史的建造物や伝統的な祭りなどを展示品に見立てる「大阪ミュージアム構想」の実現に使途を指定して寄付したという。
東大阪市は,「ふるさと東大阪応援寄付金」の受付を始めた。全国のラガーマンあこがれの地・近鉄花園ラグビー場があり,寄付金活用の柱は「ラグビーのまち東大阪を推進する施策」という。ラグビー場の運営補助金や年末年始に開催される「全国高校ラグビーフットボール大会」の支援などに生かす。
八尾市も「がんばれ八尾応援寄付金」を導入。文化,産業,緑化,教育事業について寄付金を個々の基金に積み立てていく予定。目玉となる寄付金の活用策はまだ打ち出していない。市は「学校の耐震補強などに活用できれば」と期待している。
ここで注目するのは,寄付者が寄付金の使途を限定しているかである。大阪市の「元気づくり大阪」は使途を寄付者に指定させず,市が決めてホームページなどで公表する。大阪府に爆笑問題は使途を指定した。他の自治体の実績はまだないが,ラグビー以外の使途を指定することもできるはずである。使途を指定しない寄附はさらにありがたい。
先日,各地の大学が個人からの寄付を募っている報道があった。大学法人も今や寄付金頼みである。多額の資金を要する研究施設を設けようとすれば,寄附に頼るしかない。国は大学に自助努力を促している。いわゆる「骨太の方針」で補助金や交付金を毎年1%ずつ減らしている。企業が紐つきで寄附する例は多いが,大学は紐つきでない寄附が欲しい。個人の寄附には紐つきでないのが多い。だから,大学は個人に寄付を呼びかけるのである。最近,私の周辺にも出身校からさまざまな寄付の要請がある。とてもすべての寄附要請には応じられない。ただ,大学から見ると,個人から少額ずつの寄附が非常にうれしい。企業のように使途を限定せず,自由に使えるからである。そういう理由か,龍谷大学は500万円以上を寄附してくれた人に,浄土真宗の大谷本廟への納骨の権利を認めたそうだ。立命館大は36万人も卒業生がおり,これ生かし,遺産を残して亡くなる方も少なくないだろう,後輩のために寄附をお願いしたい,と言ってるらしい。早稲田,慶応義塾大も遺言による遺産の受付をはじめたらしい。大学は,教育と研究をする場所である。政府が交付する運営費補助金は効率化が要求され,国立大学法人であっても以前のようには貰えない。研究費は大学が自力で調達しなければならない。研究費や教員の補充も不足しがちである。予算がないと,講座維持もしにくい。
国立大学の寄付金取扱規程をみると,学術研究のため,大学運営のため,寄附を受入れる。受入れに際しては寄附目的に従い使途を特定する,とある。とくに限定しなければ,大学の運営費に充てられる。要するに何に使ってもいい。もし寄附金の使途を特定されたときは,寄附講座,寄附研究部門規程にしたがう。「奨学を目的とする民間からの寄附を有効に活用し,教育研究の進展,充実を図る。大学の主体性が確保されるよう十分配慮し運営する。寄附講座には,その寄附講座の名称について寄付者から申出があったときは,寄付者が特定できるような字句を付することができる。部局の長は研究教育上有意義であり,かつ研究教育に支障がないと認められるものについて,寄附講座の設置を決定する。寄付講座には,少なくとも教授又は准教授に相当する者1人及び准教授又は助教に相当する者1人の教員を置く。」とある。寄付金申込書の書式もあって,それにも「寄付金の使途」という欄がある。寄付者がこれを書くか書かないかは,研究部門,研究講座にとって大きな関心事である。書かなければ,自由に使えるからである。大学の本領が発揮されるのである。寄付講座の存続期間が終了したときは,部局の長は教育研究の成果の概要をとりまとめて総長に報告すればよく,成果が上がらなくても,寄付者からクレームを付けられることはない。存続期間が終了してなお多額の寄付金が余っているときはどうなるのか。何も書いてない。大学の一般会計に組み込まれるのだろうか。寄付者がそこまで会計検査をすることはあるまい。部局の長は寄付者に使途を変更してもよいか,を問い合わせるだろうが,しなければうやむやになる虞がある。寄附は大学の生き残りにも影響するが,不明朗な使い方だけはしないで欲しい。

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Comments

>龍谷大学は500万円以上を寄附してくれた人に,浄土真宗の大谷本廟への納骨の権利を認めたそうだ。

 大谷本廟への納骨とあるが、仏壇付納骨堂の無量寿堂(最低でも80万円以上)である。もうひとつの明著堂(祖壇納骨所)に納骨すると、地下室に散骨され、不特定多数の他人の遺骨とごちゃ混ぜになってしまう。(こちらは2万円~10万円)。したがって、改葬・出骨はできない。

 金額によって、扱いが違うようだ。

 なお、大谷派系の大谷祖廟は、祖壇納骨所と同じ方式のみであり、すべて、不特定多数の他人とごちゃ混ぜになる。しかも、こちらは、森の中の露天のカロートである。


 

Posted by: | October 08, 2008 at 12:40 AM

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Tracked on October 05, 2008 at 06:06 PM

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