ライブドア判決
今日、ライブドア堀江貴文前社長に対する証券取引法違反被告事件の判決があった。主文は、懲役2年6月である。堀江は裁判で一貫して無罪を主張してきた。辣腕弁護士(もと検察官)の公訴棄却の申立は退けられている。
裁判の論点は、①「虚偽の風説の流布」は宮内専務一人で仕組んだことか、堀江も「そんなに儲かっちゃうの」と主導したのか。②投資事業組合(ファンド)を自由に操っていたのか。③投資事業組合を介してライブドアの売上を計上することができたか。④これらが堀江に可能であったという宮内の証言は信用できるか。であったと思う。(昨年9月4日のブログで、論点紹介した。いずれ判決全文で分かる。)
堀江の法廷での態度は、宮内主導で①ないし③を実行し、自分は関与してない、というもの。ライブドアの自社株売却益を資本に組み入れることなく、売上に計上することは指示・了承していないが、かりに指示しても違法ではない、と反論していたようだ。
宮内の1億6500万円の横領の事実も法廷で暴露されたが、堀江の証取法違反の事実には影響を与えなかった(10月13日のブログ参照)。
この判決が残したのは、ベンチャー企業もきちんとしたスタッフを揃えて、投資家に対する説明を尽くすべきだ、そうでないと市場から追放される、という教訓だろう。殆んどワンマンの社長が、専務のやったことを知らない、という弁護人の方針に問題はなかったのか、個人的な興味はある。
法廷では、なかなか劇的な逆転はおきにくい。(TBS「華麗なる一族」の法廷劇では銀行常務が頭取に帳簿の改ざんを命じられたことを証言するらしい。帳簿を突きつけられれば誰の判断で改ざんしたか、答えざるを得ない。自分か頭取か、常務に貸付金の返済日を改ざんする理由があるのか、などが論理的に判断されるのは当然のことである)。
ファンドとは、複数の投資家から資金を集め、その資金を用いて行われる事業・資産からの利益を投資家に分配する仕組みのこと。平成18年5月1日施行の法は、投資手法を自由化した。組合員の資格制限や人数制限は撤廃され、誰でも自由にファンドの組合員になれる。出資先企業でも、事業者に自由に融資し、金銭債権を自由に取得できる。多様な有価証券や信託受益権などを取得することができる。
その代わり、一般投資家の保護を図るため、ファンドの持分について証取法上の投資家保護ルールが導入された。まず、不公正な取引(故意に虚偽の情報を利用して投資家を勧誘すること等)を行った場合には、罰金や課徴金が課せられる。金融商品販売法の対象となり、投資家に対する勧誘を行うときに、元本欠損が生じるおそれがあるなど(投資リスク)を説明する義務がある。この義務に違反すると、元本欠損額が損害額と推定される。 出資を公募する場合(一般投資家を50名以上募集する場合など)には、有価証券届出書を提出し、有価証券報告書によってファンドの財務内容などの重要情報を継続的に開示することになる。つまり、行政の監督を受ける。(民法上の任意組合、商法上の匿名組合形式によるファンドには、行政の監督を受けていないものが多い。詐欺的なファンドは、行政の許可等を受けていると詐称することもある。)耳慣れない「投資事業組合」が一般投資家にも門戸を開いたが、堀江のそれはどれくらい閉鎖的で恣意的だったのだろう。
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